日本早期認知症学会

挨拶

理事長挨拶

日本早期認知症学会
理事長 重森健太

 この度、日本早期認知症学会第6代目の理事長に就任しました重森健太と申します。これまでの学会運営を継承するとともに、新たな取り組みにチャレンジしていきたいと考えています。

 さて、近年の社会情勢に目を向けると、2024年1月1日に「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」(以下、認知症基本法)が施行されました。背景には、2025年には700万人(高齢者の5人に1人)に達すると言われる認知症の人の増加があります。この認知症基本法には、「認知症に関する専門的、学際的又は総合的な研究その他の共生社会の実現に資する研究等を推進」、「認知症及び軽度の認知機能の障害に係る予防、診断及び治療並びにリハビリテーション及び介護方法」、「科学的知見に基づく研究等の成果を広く国民が享受できる環境を整備」などが基本理念として挙げられており、認知症の予防として「早期発見、早期診断及び早期対応の推進」が掲げられています。つまり、「共生社会」を実現するためには、専門家が積極的に地域社会に関与し、認知症に対する「早期」の取り組みを行っていくことが非常に重要となります。

 本学会の会員は、医学、薬学、工学、心理学、健康社会学など様々な分野で活躍されている専門家で構成されており、健常者、プレクリニカルステージ、MCI並びに軽度認知症を守備範囲としての診断、治療・ケア、介護の介入を研究し実践することを目的とした学会です。2023年7月より本学会は一般社団法人生涯健康社会推進機構が主催する生涯健脳相談士・生涯健脳指導士の認定事業を共催し、地域の認知症者を支援する体制も整いつつあります。新体制では「共生社会」に貢献すべく、「専門別研究会・地域研究部会担当委員会」と「地域連携委員会」を新たに立ち上げました。「共生社会」が求められる社会情勢を考えると、ますます本学会として何ができるのか追求することが大切だと認識しております。

 学会は学術大会や論文投稿のためだけに存在するのではなく、地域に還元できてこそ存在意義があると考えています。「共生社会」に貢献できる学会を目指していきますので、引き続きご支援ご協力の程、宜しくお願い申し上げます。

2024年6月1日